町内迷子作戦

腸炎も長続きせず、空腹を感じた。

なんだったら長続きするんだ、わたしは。

外に出なくてはいけない。

しかもどうしても外出しなくてはいけない用事ができた。

 

メルカリに出していた雑誌が売れた。しかも2冊。

体調が悪くてもメルカリは売れる。

出していたことすら忘れていた雑誌が売れたのでたいそう驚いたけど、

買ってくれた人に悪いから早く出荷しないと。

こんなときでも他人優先の自分にいい加減腹パンチを喰わらせたいところだけど、

胃痛が意気揚々と戻ってきそうだったので辞めた。

 

朝から何も口にしていない。

水分も。

なんだかとてもフラフラしたけど、メルカリ出荷に理由をつけて食料を確保しに外に出た。

 

寒い。暦の上では冬だ。

アウター選びに成功して嬉しい気持ちを抱えてローソンに入った。

 

無事にメルカリを出荷し、SEIYUで欲しいものを買って帰路につく。

ちなみに、SEIYUでプリンを買った。

バナナも買った。レトルトのピザも買った。

食べ物がなくて困ったからか、カロリー高そうなものばっかり買ってて笑えた。

 

さて帰り道。

思い出は道端にも潜んでいる。

どの道を通ってもバッドエンドなので、一度も入ったことのない路地に入った。

そこからはなんとなく感覚だけで右に左に曲がった。

迷子だ。意図的に迷子になった。

いつかは帰れるだろうと、なるべく知らない道を選んで帰った。

 

残念ながら知らない道を抜けた先は普段通っている道に出てしまった。

あーあ。現実。

仕方ないから現実に戻る。

現実がわたしを必要としているのだ。

 

部屋の鍵を開ければ、一緒に住んでいる鳥が一声鳴いた。

待っててくれる存在がいて、なんとなくあったかかった。

と、思ったら、エアコンつけっぱなしで出かけてた。

あたたかさは物理的なやつで、心底がっかりした。

 

さ、食事をとろう。

カロリーとって、早く回復しなくちゃいけない。